厚生省生活衛生局長 新版レジオネラ症防止指針(概要)抜粋引用
レジオネラ属菌は、自然界の土壌と淡水に生息するグラム陰性の桿菌です。
一般に20~50℃で繁殖し、36℃前後で最もよく繁殖します。
レジオネラ属菌はアメーバなどの原生動物の体内で増殖するため、これらの生物が生息する生物膜(バイオフィルム)の内部にレジオネラ属菌が保護されています。
レジオネラ症は、レジオネラ属菌の感染によりおこる疾患であり、レジオネラ肺炎と肺炎にならない自然治癒型のポンティアック熱の2つの病型があります。
レジオネラ症の感染源として、給水・給湯設備、冷却塔水、循環式浴槽、加湿器、水景施設、蓄熱槽等からの感染が報告されています。
レジオネラ症の感染経路として、汚染水のエアロゾルの吸入のほか、汚染水の吸引、嚥下・経口感染等が考えられます。
レジオネラ症予防のためには人工環境水中のレジオネラ属菌をできる限り少なくすることが重要です。
検査の結果レジオネラ属菌が検出された場合の対応は以下のとおりです。
冷却塔のように人が直接吸引する可能性のない場合
102CFU/100ml(CFU:Colony Forming Unit)以上のレジオネラ属菌が検出された場合、直ちに清掃・消毒等の対策を講じる。
また、対策実施後は検出菌数が検出限界(10CFU/100ml未満)以下であることを確認する。
浴槽水、シャワー水等を人が直接吸引するおそれがある場合
レジオネラ属菌数の目標値を10CFU/100ml未満とし、レジオネラ属菌が検出された場合、直ちに清掃・消毒等の対策を講じる。
また、対策実施後は検出菌数が検出限界以下であることを確認する。
建築物の冷却水は空調用冷凍機の冷却に用いられています。
6~9月までの冷却塔の水温が15~34℃であり、また塔内で有機物質などが濃縮されるためレジオネラ属菌の増殖に好適な場所となっています。
冷却塔は増殖した菌を空中へ飛散させるため、レジオネラ症汚染防止の観点から最も注意を払わなければならない建築設備の一つとされています。
循環式浴槽とは浴槽水を循環させ、その循環経路に粗大汚濁物を除去する装置(プレフィルタまたはヘアキャッチャ)を設けるとともに、
ろ材を充填したろ過器を設置して浴槽水を浄化し、水の消費量と排出量を抑制するものです。
循環式浴槽では、湯が閉鎖系内を循環しているため、これらの微生物が生物浄化方式のろ材表面及びその内部、浴槽、管路系の内壁等に定着し、
各種微生物が入浴者の体表等に由来する有機物質を栄養源として増殖します。
汚染と感染を防止するためには、循環式浴槽の使用に当たって、レジオネラ症汚染防止の観点から注意を払わなければなりません。
検体到着後、12~15営業日
7,500円※採水費用、検体発送費用は含まれておりません